「わたしは、肌の色という 自分にはどうしようもないことで、
これからも屈辱を味あわされ続けるのがいやだったのです」
アフリカ系アメリカ人で、「公民権運動の母」と呼ばれるローザ・パークスの言葉だ。
すぐに、「わかるわかる」と頷きたくはないし、決して軽い言葉でもない。
婚外子(他に言葉はないのか?)であるわたしも、
長い間「自分にはどうしようもないこと」で、屈辱を味あわされたり、
お角違いの同情をされたりするのがいやだった。
「どけ、どけ、どけー」。いつもこころの中では、叫んでいた。
落合恵子の『明るい覚悟』
Living at the same time こんな時代だからこそ。
- ……保つ…… 『明るい覚悟 こんな時代に』(朝日新聞出版)というエッセイ集を、この秋に刊行した。2年にわたる連載をまとめたものだが、コロナ禍のただなか(今でも終わっていない。これからも見えないが)、晩春から初夏にかけて加筆修正をしながら、考えた。 無意識であろうとも、昨日の続きの今日がほぼ訪れるであろうという前提のうえに、わたしたちは今日を生きる。 コロナ禍は、反対側からわたしたちの日々を映し出した。 つまり、いのちあるものにとって、昨日の続きの今日は必ずしも来ないかもしれないという……。 そしてそれは、いかに理不尽に思えても、生きているもののにとって揺るぎない事実であるのだ。 だから、どうしろというのだ? 完全なる答えはない。 『明るい覚悟』の前書きにも書いたが、答えは自分の外側のどこにもない。 ……人生なるものに、手本も見本もないという当然の事実とわたしは再会するしかなかった。 悲観と楽観の間を揺れながら(揺さぶられながら)、可能な限り平常心を保つこと…。 本書の目次はすべて「動詞」だ。暮らすことは、名詞にきれいに収まることではないと考えるからだ。で、今回のタイトルも、平常心を「保つ」の「保つ」とした。 むろん憤りの翼も折り畳んではならない。 正当な憤りもまた「保つ」ことだ。
- 最近、以前読んだ絵本を読み直している。 あるんだなあ、新しい発見が、それが何度目であっても。クレヨンハウス一階。 「人種差別を考える」コーナーや「グリーフケア」のコーナー、 目を逸らすことなく子どもたちに伝えたいテーマのコーナーなど、特別企画も充実。 いつも言っていることだけれど、 絵本(物語にも)に年齢制限なし、だ。
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