12月12日


新しい週が始まった。いろいろな意味で「新しい」週であり、「新しい12月」である。

望むと望まないとにかかわらず、暮らすこと、生きること、続きを大事にすることに

慣れ親しんできた70代にとっては、久しぶりの初体験、未体験、再会体験が目の前に 次々に広がっていて、飽きるということがない。

ル=グインの新しいエッセー集や福島申二さんのコラムをまとめた単行本などを手に、 こんなに晴れた昼時、こんなに大好きな井の頭公園の近くにいるのだから……。

お弁当もって、陽だまりでお昼を食べて、小一時間ほど本を開きたいな、と思っても あれこれ打ち合わせがあって、そうすることも今まだできていない。

夕がたは各家のドアから、待ってましたと現れて同行するひとのリードを引っ張る(引っ張られるのではなく) 犬たちと公園で出会いたいと望みながら、気が付けばすでに夜!

あーあ、今夜もいとしのアイツらと会えないのだ、と嘆く日々が続いている。


クレヨンハウスのオーガニックランチや夕食、ずっとご無沙汰気味。

11月23日の20時ディナー終了時を閉店と決めて、当日、残っていたスタッフとレストランで軽く食事をして、解散。

そのままお休みをとるひともいて、先週あたりから吉祥寺店開店に向けて、それぞれのセクションでの全員集合風がはじまっている。

店売組もデスクワーク組も、同じ。

内装もまだまだ完全といえず、したがって書棚の設置やオーガニックレストランのテーブルセッティングも終わっていない。

表参道から運び込んできた、いつの間にこんなに大きくと驚かせてくれるグリーンたちも、まだどこに「誰」に居てもらうのか 決まっていないし、クリスマスのデコレーションもセッティングできていない。

週末はオープンだぜ、と正直焦る気持ちはあるが、わたしが焦ってどうなるものでもない。わたしが焦れば焦るほど、みんなも焦るに違いない (そうか? それほど一体化しているか?)のだから。

こういうときはむしろ静かにしているしかないのだが、移転を前にして今年の夏はこの冬から来春までに咲いてくれる花々の 種子蒔きも控えていたので、、季節の花がない。とっておいてもらった球根の植え付けも終わっていない。

やらねばならないことが山ほどあって、ノートはぎっしり。

慌てるな、落合! である。


さあ、今週からオープンに向けて、本格的なプレパの時。

プレパなんて、なんか懐かしい響きでなあ。遠い昔、学生時代、所属した部の活動で、「プレパ」という言葉が 飛び交っていた。言わずと知れたプレパレーション、準備という意味だ。他校との試合に向けての資料集めやら、模擬のディベートやら。

首相公選論、死刑の是非、安楽死、中絶について等々。どれもが21世紀の今も論議されているテーマであり、それらテーマを 引っ提げて、各大学の同じようなグループと試合をした。

わたしたち下級生はもっぱら図書館通いを重ねて、資料収集。それを上級生と共に読み込むことで、少しだけ、ほんの少しだけ テーマを理解したつもりになっていた。

あの頃、たとえば20歳の頃、わたしはどんな人生を理想としていたのだろう。

少なくとも70代後半で、こんなに慌ただしい日々を送るとは予想もしていな、かったか?

さあ、今日も朝から開店に向けて、プレパだ! わたしは下級生でも上級生でもない。

落合恵子の『明るい覚悟』

Living at the same time こんな時代だからこそ。