4月8日

あなたは民主主義を信じていますか?
わたしは、信じています。

「信じています」の語尾がこの8年ほどの間、ちょっと
自信なさげに微かに揺れることはあったとしても、
信じているから、デモに行ったり異議申し立てをするのです。
そして、「民主主義」をより確かな、より信じられる方向へ、
と拓くことができるのは、わたしたち、ひとりひとりだということも
わたしは「信じて」います。

 クレヨンハウス朝の教室、4月10日(土)121回目の会は、
「民主主義を信じるとは?」
政治学者の宇野重規さんを講師にお迎えします。

 昨秋に刊行された『民主主義とは何か』(講談社現代新書)、そして
今年の春に刊行された『民主主義を信じる』(青土社)、ともに
是非お読みいただきたい、いま、「わたしたち」に必要な書です。


帯の言葉に、泣けました!

 ……もう一度、政治を好きになってみる……
そう、わたしたちは政治を好きになりたいです。
好きになるためには、わたしたちの声によって「揺れる」政治でなければいけません。
少数の声をちゃんと聞ける政治でなければなりません。
うすら笑いで少数を切り捨てる政治であってはなりません。

宇野重規さんは、日本学術会議から会員として推薦を受けたにもかかわらず、
現内閣によって「任命を拒否」されたことについて、
学術会議によって推薦されたことを感謝しつつも次のように述べておられます。

……(内閣によって会員に任命されなかったことについては)
特に申し上げることはありません。私としては、これまでと同様、
自らの学問的信念に基づいて研究活動を続けていくつもりです。
政治学者として、日々の政治の推移について、学問的立場から
発言していくことに変わりはありません……。

さらに『民主主義を信じる』の後書きで、彼はJ・S・ミルの言葉を
紹介しつつ、民主的社会の基盤でもある言論の自由のかけがえのなさについて
次のように述べておられる。

……もし少数派の意見が正しいとすれば、それを抑圧すれば、
社会は真理への 道を自ら閉ざしたことになります。仮に少数派の意見が間違っているとしても、
批判がなければ多数派の意見は教条化し、硬直化してしまいます……と。


わたしはずっと「少数派」と呼ばれるところ(ところ、というのは妙だが)で暮らしてきた。
そのほうが居心地がよかった。
時々、なぜ? と自分に問いかけてきた。
ひとつは自身の出生と無縁ではないかもしれない。
76にもなって、まだ引きずるのかい? というより、出生から引き出し、引き受けたものが、
いつもわたしの背中を少数派へ、と押してくれるのだ。
そう、だからわたしは少数派であることを大事にしようと思う。

宇野さんが記された言葉をひとつひとつ自分に引き寄せて、
改めて、少数派の意味と意義はここにあった、と確信できた。

宇野さんは、日本学術会議の会員に内閣によって任命されなかったことについても次のようにおっしゃる。
「私は日本の民主主義の可能性を信じることを、自らの学問的信条としています。
その信条は今回の件によっていささかも揺らぎません。
民主的社会の最大の強みは、批判に開かれ、つねに自らを修正していく能力にあります。その能力がこれからも鍛えられ、発展していくことを確信しています」
ご著書のタイトル、『民主主義を信じる』の意味はそこにある、のだ。

土曜日、ご一緒に学ぼう! 


宇野重規さんの講演会をオンライン(Zoom)で聴講できます。
上記バナーからチケットをお求めください。
講演日時 2021年4月10日(土)9:00~10:30
(見逃し配信   18:00~19:30 オンライン参加者限定・1回のみ)

*会場参加については、ミズ・クレヨンハウス(TEL.03-3406-6465   11:00〜19:00)へご相談ください。

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