3.11を忘れない

2011年3月11日。あの日、あの時、あなたは、どこで何をしていましたか?
覚えていますか? あの瞬間と、それに続く日々を。
そして、何をどう誓ったかを。


そうして13年。
思いだしてください。あの日のことを。
......思いだすためには、一度忘れなくてはならない......と詠んだのは、
詩人の寺山修司さんでした。


わたしたちは忘れてしまったのでしょうか。


最愛のひとを失った、あの人の苦しみを、
悲しみを。いまもって悲嘆の中に埋ずくまる夜があることを。
一瞬にして破壊され、押し流された近隣の懐しい風景、家々の姿。


幼い日、息子がガラス戸に描いた、
「とうさんの顔」。息子は「とうさんの年」になって、そして3月11日。
あの日、風邪で寝込んでいた老いた父を
助けようとして、息子はいのちを落とした。


庭に転がった、割れた植木鉢。剥き出しの土から伸びた一本の細い細い茎。その先に咲いた、小さなピンクの花。桜草。


「ガレキと呼ぶな。俺たちの暮らしそのものだ」。


2024年1月1日。震度7の大きな地震が、
能登半島を襲いました。
この「地震列島」で原子力発電を続けることは、いのちへの、暮らしへの、文化への殺人行為です。
子どもが、孫が、駆けてゆく、あの子がかわいいのなら......
支持政党や、
右とか左といった、いささか雑な分け方ではなく、一緒に考えましょう。
どんな時も誇りを棄てることのない、
一市民として。かけがえのないものとは、なんですか?


あなたの、かけがえのないものとは!


落合 恵子

落合恵子の『明るい覚悟』

Living at the same time こんな時代だからこそ。