「あなたへ、わたしへ」 3.5パーセント!
レバノン出身のフォトジャーナリスト、マリア・オーセイミが故国を訪れ、
ひとりの少年に訊きます。
「大人になったら、何になりたい?」
少年は答えます。
「大人になったら、子どもになりたい。なぜってボクには、子ども時代がなかったから」
紛争や戦争は、再び
「大人になったら子どもになりたい」
そう願う子どもたちを大勢つくります。
いま、この瞬間も。
一方、大人になれずに、いのちを奪われた子どもは、
どうすれば、自分の思いを伝えることができるのでしょう。
どんなに言葉を尽くしても、
いかに慟哭を重ねても、奪われたいのちは、かえってきません。
壊された日常もまた。
即刻の、まずは停戦を。そして、
人質の解放を。
わたしたち、非力な市民にも、必ずできることはある、と、
わたしは信じる。
ハーバード大学ケネディ行政大学院教授エリカ・チェノウェスさんの、
「3.5パーセント・ルール」。
ある国の、3.5パーセントが立ち上がれば、社会は変わると、彼女は記しています。
目の前で、愛する家族を失った子どもの中には、怒りと悲しみと喪失の中で、
幼いテロリストを目指す子もいるでしょう。
子どもから、
子ども時代を奪わない。
子どもを幼いテロリストにしない。
それが、
子どもと同時代を生きる、わたしたち大人のミッションであり責務です。
あなたの今日を、私の今日を、
今日以降のすべての戦争を止めるための、第一日目に。
落合恵子
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